鉄のフライパンの魅力と正しい使い方:知っておきたい鉄則
鉄のフライパンは、プロの料理人から家庭のキッチンまで幅広く愛される調理器具です。その理由は、耐久性の高さ、焼き目の美しさ、そして使うほどに馴染み、調理性能が向上するという特性にあります。しかし、その魅力を最大限に引き出すには、適切な使い方と手入れの知識が必要です。
この記事では、鉄のフライパンの特性やメリット、使い始めから日常的な手入れまで、専門的な視点で解説します。初心者でも安心して使えるよう、基本から応用まで網羅しました。
著者はもう10年以上鉄のフライパンを愛用しています。最初は取っつきづらい部分もありますが、慣れてしまうともう手放せないお気に入りのアイテムになりますよ。
1. 鉄のフライパンの特性とメリット
鉄のフライパンには、他の素材のフライパンにはない独自の特性があります。これらを理解することで、正しく使いこなせるようになります。
特性:
- 高い熱伝導率: 鉄は熱を均一に伝え、調理中の温度変化に強いため、ムラなく加熱できます。
- 蓄熱性が高い: 一度温まると温度が下がりにくく、安定した加熱が可能です。これにより、肉や魚にしっかりとした焼き目をつけられます。
- 油となじむ性質: 使用を重ねることで表面が馴染み、自然なノンスティック状態(焦げ付き防止)を実現します。
メリット:
- 長持ちする: 適切に手入れをすれば、何十年も使い続けられます。
- 美しい焼き目がつく: ステーキや餃子など、見た目の美しい焼き目がつきやすいです。
- 有害なコーティングなし: テフロンなどの化学コーティングがないため、長期間安心して使用できます。
何といっても食材がおいしく調理できる!肉も野菜もなんでもおいしく調理できますよ。
2. 鉄のフライパンの「シーズニング」と使い始めの準備
購入直後の鉄のフライパンは、保護剤が塗布されていることが多いため、使い始める前に「シーズニング」と呼ばれる準備が必要です。この工程により、フライパン表面が油となじみ、焦げ付きにくくなります。
シーズニングの手順:
- 保護剤を除去: フライパンを洗剤とスポンジでしっかり洗い、保護剤を完全に落とします。
- 水分を飛ばす: 洗浄後、中火で加熱して水分をしっかり蒸発させます。
- 油を塗る: キッチンペーパーに植物油を含ませ、フライパン全体(内側・外側)に薄く塗ります。
- 焼き込み: フライパンを中火で加熱し、煙が出るまで油を焼き付けます。これを2~3回繰り返すことで、表面に薄い油膜が形成されます。
ポイント: シーズニングは一度行えばOKではなく、使い始めの数回は繰り返すことで、より使いやすい状態になります。
鉄のフライパンは使い始める前にちょっとした儀式が必要です。ちょっと面倒くさそうに見えるかも知れませんが楽しんでやりましょう。
3. 調理中のポイント:鉄のフライパンを上手に使うコツ
鉄のフライパンを使った調理では、適切な加熱と油の扱いが焦げ付き防止やおいしい仕上がりにつながります。
適切な加熱
鉄のフライパンは、しっかりと加熱してから油を入れるのが基本です。温度が低い状態で調理を始めると、食材がフライパンにくっつきやすくなります。
- 加熱の目安: 水を1滴落として、玉状に転がる程度に加熱するのが理想的です。
油の使い方
鉄のフライパンは油と相性が良く、しっかりと油をなじませることで焦げ付きにくくなります。油の量は、調理の種類によって調整します。
- ステーキや餃子など焼き目を重視する場合は多めの油を使い、フライパン全体に行き渡らせます。
鉄のフライパンで一番難しいのが調理温度の管理かも。冷たくても熱すぎてもくっつきやすい。慣れればどうってことはないのですが、ここら辺がちょっと頑張りどころです。
4. 鉄のフライパンの手入れ方法
正しい手入れを行えば、鉄のフライパンは何十年も使い続けられるアイテムになります。使用後の手入れを怠ると、錆びや焦げ付きの原因になるため注意が必要です。
使用後の手入れ
- 洗浄: 調理後、フライパンが熱いうちにお湯で汚れを落とします。焦げ付きがある場合は、たわしを使います。
- 洗剤の使用について: 洗剤は基本的に使用しませんが、頑固な油汚れの場合は軽く洗剤を使っても問題ありません。
- 乾燥: 洗浄後は、中火で加熱して水分を完全に飛ばします。これを怠ると、錆びの原因になります。
- 油を塗る: フライパンが冷めたら、キッチンペーパーで薄く油を塗り、保管します。
錆びた場合の対処法
万が一フライパンが錆びてしまった場合でも、適切に対処すれば元通りになります。
- 錆びた部分をたわしやスチールウールでしっかり擦り取ります。
- 表面を洗い、再度シーズニングを行います。
この日々の手入れが面倒くさいと思ってる人も多いかもですが、私は使うたびに洗剤でガシガシ洗うし、使用後に油を塗ることもありません(推奨されている使い方とは違いますが・・)。でも、問題なく使えています。
5. 長く使うためのポイントと注意点
鉄のフライパンを長く愛用するためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 空焚きをしすぎない: 過度な空焚きはフライパンの歪みの原因になります。
- 酸性の食材に注意: 酸性の食材(トマトや酢など)を長時間調理すると、フライパンの表面が劣化する場合があります。
- 急激な温度変化を避ける: 調理後すぐに冷水で冷やすのは避けましょう。熱膨張と収縮でフライパンが歪む原因になります。
著者はリバーライトの極JAPAN 厚板フライパンをもう10年ほど使っていますが、まだまだ使えそうです。ある程度使い方に気を付けていれば滅多なことでは壊れないと思います。
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まとめ:鉄のフライパンを使いこなすために
- シーズニングでスタートを整える: 購入後の初期準備が、長く使うための基礎になります。
- 正しい加熱と油の扱いを覚える: 適切な温度管理と油のなじませ方が、焦げ付きを防ぐカギです。
- 日々の手入れを欠かさない: 洗浄、乾燥、油の塗布を習慣化して、フライパンを常にベストな状態に保ちましょう。
- トラブルにも冷静に対応: 錆びや焦げ付きも、正しい方法で対処すれば元通りになります。
鉄のフライパンは、使うほどに馴染み、調理性能が向上する魅力的なアイテムです。少しの手間を惜しまなければ、料理の楽しさが何倍にも広がります。この冬、新しい鉄のフライパンを手に取り、その魅力を体験してみてはいかがでしょうか?